コラム

ミシンのこんな症状は修理を検討して!プロが教える見極め方

2025年02月03日11時13分

「ミシンの調子がちょっとおかしい…でも、まだ縫えるから大丈夫!」

それ、実は要注意かもしれません。ミシンの不調を放置するのは、とても危険なことです。大きな故障になると修理代がかさむだけでなく、針が折れたり、布を巻き込んだりして、思わぬケガにつながることも。

今回はミシンの故障サインや修理のタイミング、そして修理と買い替えの判断基準までを詳しく解説していきます。大切なミシンを長く使い続けるために、参考にしてくださいね。

ミシンの調子が悪い?そのまま使うのは危険!

ミシンの調子が悪くなったとき、「まだ使えるから」とそのままにしていませんか? ミシンを修理に出すのは、手間も時間もかかると感じるかもしれません。特にミシンはときどきしか使わないという人は、少しくらいの不調には目をつぶってしまうこともありますよね。

しかし小さな不調を放置することは、大きなダメージにつながります。最初は軽微だった症状が徐々に悪化し、最終的には高額な修理が必要になったり、事故につながったりすることもあるからです。

ミシンは精密機械です。ひとつの部品の不調は、いずれ他の部品にも悪影響を及ぼします。

この記事では、ミシンの故障の兆候や、修理を検討すべきポイントをプロの視点から解説します。「どんな症状なら修理が必要?」「この程度なら大丈夫?」といった判断の基準を、具体的な症例とあわせて見ていきましょう。

ミシンの故障サインとは?こんな症状に注意!

ミシンの不調には、いくつかの典型的な症状があります。こんな症状が現れたら、修理を検討するタイミングです。

①音がおかしい

②針がすぐ折れる

➂糸がからまりやすくなった

④きれいに縫えない

⑤動きや速度に異常がある

不調の早期発見・早期対応が、ミシンを長持ちさせるコツです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

明らかにおかしい音がする

普段と違う「ガタガタ」「カタカタ」という音や、異常な振動を感じたときは要注意です。音や振動が気になるときは、ミシンの内部で部品が摩耗していたり、糸が絡まっていたりする可能性があるからです。特に釜周りからの異音は、重要な部品の不具合のサインです。

こうした状態で使い続けると、摩耗した部品が他の部品も傷つけ、より大きな故障につながるかもしれません。

また大きな振動は、内部の部品を緩めたり、接続を不安定にしたりすることもあります。不安定な状態でミシンを動かし続けると危険です。思わぬケガの原因にもつながります。

一方異音の種類によっては、自分で原因を特定できることもあります。キーキーという金属音は部品の摩耗や潤滑不足、ガタガタという音は部品の緩みや歪みのほか、たまったゴミのせいかもしれません。

オイルを差したり、ゴミを取り除いたりすれば解決することもあるので、まずは音の様子をよく観察してみましょう。

針が折れる、曲がる頻度が高い

針が頻繁に折れたり、曲がったりするときには、まずは針板の穴の位置と針があっているかを確認しましょう。針が斜めに取り付けられていると、穴にうまく入らず、折れてしまいます。

また、針は消耗品です。適度に交換しないと、作業の途中で折れることがあります。針が古くなっていないかも、定期的な確認してくださいね。

針の不調には、ミシンの性能が扱う素材と合っていない可能性も考えられます。厚みのある生地や特殊な素材は、ミシンによっては扱えないことがあるのです。生地を選ぶときには、素材もよく確認しましょう。

適した針や生地を使っているのに不調が直らないときは、内部の部品に歪みが生じているのかもしれません。そのまま使い続けると、折れた針が釜を傷つけたり、他の内部部品にダメージを与えたりします。

ミシン内部の負担は、自分で確認するのが難しい部分です。なるべく早く、専門家に見てもらいましょう。

糸が絡まる、切れる頻度が増える

糸の絡まりや切れが頻繁に起こる場合には、主に「糸調子の不良」「内部の汚れの蓄積」そして「部品の傷や劣化」の3つの原因が考えられます。

糸調子は自分で調整するモデルと、自動調節機能がついているものがあります。いずれの場合も、調子があわないと糸はからまりやすくなります。

自分で調整するタイプのミシンでは、まずは糸調子の強弱を少しずつ変え、適切にあわせてみてください。自動機能がうまく動かない場合には、修理の必要があるかもしれません。

内部の汚れや部品の劣化が原因の場合は、プロの修理が必要になることがあります。いつもどおりの掃除で取れない汚れは、やはり専門家に任せましょう。また部品が劣化している場合も修理が必要です。

いずれも特定の箇所で問題が繰り返される場合は、別のトラブルが起きている可能性があります。一度、プロに見てもらうと安心ですよ。

縫い目が揃わない・糸調子が取れない

縫い目の不揃いになるときは、送り歯の不調や釜の調整不足が原因かもしれません。布を外して送り歯や釜の動きを確かめ、いつもと違うところがないか確認してみてください。動きがおかしいと感じたら電源を切り、近くにおかしなところかないか、もう一度チェックします。

トラブルの原因は、意外とささいなところにあるものです。きちんとできていると思っても、うっかり取り付けや設定を間違えていることがあります。落ち着いて、ゆっくり確かめてくださいね。

糸調子を自分で調節するタイプでは、糸の加減を変えることで、トラブルが改善するケースもあります。糸が布地の表面で輪になる場合は下糸が緩すぎ、布地の裏面で輪になる場合は上糸が緩くなっている状態です。

また縫い目が飛ぶ(部分的に縫えていない)場合は、針と釜のタイミングがずれているかもしれません。修理に出して、動きをそろえてもらう必要があります。

正しい使い方をしているのにうまく縫えないときにはミシン内部の故障を疑い、専門家に相談してください。

ミシンが動かない、速度が不安定

ミシンの動作自体に問題がある場合は、注意が必要です。ペダルの不具合や電源系統の問題、モーターの故障などへの対応は、専門家でないと危険です。

特に危険なのは、電気系統のトラブルです。回転速度が不安定になったり、ミシンが突然止まったりしたら、電気系統に問題がある可能性が高まります。

こうしたトラブルは、家庭で解決することは難しいケースがほとんどです。自分で直そうとすると余計に問題を大きくしてしまったり、感電したりする危険もあります。

大きな不調が続くときには、必ず専門家に修理を依頼してください。

修理か買い替えか?判断の基準

ミシンに不調が出始めたとき、修理か買い替えか、どちらが適しているかの判断は難しいところ。「まだ大丈夫!」と、問題自体を先送りにしてしまう人も多そうです。

しかしトラブルのスムーズな解決には、「早めに対応すること」がなによりも重要です。ここではミシンを修理すべきときと買い替えを検討すべきときの、それぞれの判断基準をまとめました。

修理を選ぶべきケース

ミシンは適切に扱えば、長い間使い続けられます。特に以下のようなケースでは、修理に出すのがオススメです。

・部品交換や簡易メンテナンスで解決できる場合

・購入後5年以内で、大きな破損がない場合

特定の部品の問題で不調が起きている場合は、その部分を修理してもらいましょう。古くなったりうまく動かなくなったパーツを交換したりすれば済む場合には、予算も買い替えるより安く抑えられます。特に高級機種や業務用ミシンの場合は、修理して長く使い続ける方が経済的です。

また購入後5年以内で大きな破損がない場合も、修理に出すほうがよいでしょう。この時期の不調は小さなトラブルが原因のことも多く、比較的簡単に解決できるからです。また、メーカーの保証がついている場合には、期間内の修理が無料のケースもあります。

ミシンはできるだけ長く使ったほうがお得です。修理できそうなときは、早めにプロに相談してくださいね。

買い替えを検討すべきケース

以下のような状況では、買い替えを検討した方がいいかもしれません。

・10年以上使用し、複数の箇所が劣化している場合

・修理費用が新品購入費に近い場合

・使用頻度が増えたため、より高性能なモデルが必要な場合

購入から10年以上が経過したミシンは、内部の部品が劣化している可能性があります。あまり使っていない場合でも、見えないところが錆びていたり、弱っていたりするかもしれません。

こうしたミシンは、一箇所を修理しても別の箇所で問題が発生する可能性が高くなります。よって結局いつまでも快適に使えないということにもなりかねません。また、古い機種は部品の供給が終了している可能性もあります。修理自体ができないので、やはり買い替えることになるのです。

また修理費用が高額になる場合も、買い替えたほうが良いかもしれません。新しいミシンよりは修理代のほうが安く感じても、新しいミシンの機能が充実していれば、満足度は高くなります。

使用頻度が増えたり縫いたいものが変わったりして、より高性能なモデルが必要になった場合も、ミシンを新調するタイミングです。作業効率や品質向上のためには用途に合ったミシンが必要です。

これからも長く裁縫を続けるという人こそ、適度なタイミングでミシンの新調を検討してみてください。

まとめ

ミシンの不調は放置すればするほど症状が悪化し、修理費用も高額になります。特に異音や振動、針折れ、糸絡みなどのトラブルは、内部の重要なパーツにダメージを与えるかもしれません。

また電気系統の不調は家庭での改善が難しいだけでなく、ケガやもっと大きな故障の原因になる危険もあります。

ミシンに不調を感じたら、ミシンを丁寧にチェックし、メンテナンスしてみましょう。それでも改善が見られない場合は、すぐにプロの修理業者に相談してください。

ニコニコミシンでは、点検・見積もりを無料で承ります。ミシンがいつもと違うと思ったら、お気軽にご相談ください。

大切なミシンだからこそ、少しでも不調を感じたら、すぐに対応することが大切です。適切なメンテナンスと修理で、縫い物を楽しみましょう。

Top