ミシンが動かない?トラブルの原因と解決方法を徹底解説!

ミシンが動かなくて困ったことはありませんか? せっかく作業を始めたのにミシンが動かないと、イライラや焦りを感じますよね。実はミシンのトラブルは、簡単な原因から起こることがほとんどです。
この記事では、ミシンが動かなくなった時の主な原因と、自分で解決できる方法をわかりやすく解説します。定期的なお手入れ方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ミシンが動かない原因とその解決方法
ミシンが動かなくなったとき、慌てて修理に出すのはまだ早いかもしれません。ちょっとした確認と対処で解決できることも多いのです。
よくある原因と、解決方法を見ていきましょう。
1-1. 電源やフットペダルに問題がある場合
ミシンが動かなくなったら、最初に確認したいのは電源周りの問題です。落ち着いて、順番にチェックしていきましょう。
原因
よくあるのが、コンセントの差し込みが不完全な場合です。急いで電源を入れたときや、誤ってコードに引っかかったときなどに、コンセントが半抜けの状態になることがあります。
また、フットペダルの接続も確認しましょう。ミシンを移動させた際やお掃除の時に、フットペダルのコードが本体から外れてしまうことがあります。
意外と多いのが電源スイッチの確認し忘れです。前回の使用後にOFFにしたままではありませんか?
落ち着いて、電源周りやスイッチをチェックしましょう。
解決方法
まずは電源コードをコンセントから一度抜き、しっかりと奥まで差し直してみましょう。コードが破損していないか、併せてチェックしておくと安心です。
次に、フットペダルの接続部分を確認します。本体側の差込口に、フットペダルのコードがきちんと接続されているか確かめてください。コードが折れ曲がっていたり、絡まっていたりしないかも見ておきましょう。
最後に、本体の電源スイッチの状態を確認します。スイッチはONの位置まで倒れているでしょうか。スイッチの動きがぎこちない場合は、内部の接触不良の可能性もあります。何度かON/OFFを繰り返してみてください。
電源周りの問題は、ミシンのトラブルの中でも最も解決しやすい部分です。「そんなはずない!」と思わずに、ひとつずつ見てみましょぅ。
1-2. 糸が正しくセットされていない場合
電源に問題がないのに動かないとき、次によく見られるのが糸のトラブルです。糸の通し方や張り具合の問題は、縫製品の品質にも影響します。正しくセットされているか確認しましょう。
原因
糸のトラブルで最も多いのは、上糸や下糸の通し方の間違いです。上糸は天秤から針穴まで、複数のポイントを通る必要があります。通し方を間違えると、糸がスムーズに送られません。また、下糸も正しい向きでボビンケースに装着する必要があります。
糸が絡まってしまうのも厄介な問題です。特に下糸周りでの絡まりは、ミシンの動作を完全に止めてしまうことがあります。
さらに、糸の張り具合も重要です。張り具合が適切でないと、布地を正しく送ることができずにミシンの動きが重くなったり、止まったりします。
解決方法
針を一番上まで上げてから、天秤から順番に糸を通し直します。この時、糸道に沿って正しく通っているか、ひとつずつ丁寧に確認することが大切です。
下糸はボビンケースから一度取り出し、絡まりがないか確認しましょう。絡まっている場合には無理に引っ張らず、はさみで切って丁寧に取り除いてください。
糸調子が取れていないと、上糸と下糸のバランスが崩れ、美しい縫い目になりません。最近のミシンには自動糸調子機能が付いているものも多いので、使ってみるのもよいでしょう。手動の場合は布地の厚さに合わせて、上糸と下糸の張り具合を少しずつ調整していきます。
糸のトラブルは、丁寧に対処すれば必ず解決できます。いったん全ての糸を外して、ゆっくりセットし直してみてくださいね。
1-3. ミシン内部に埃やゴミが溜まっている場合
ミシンは精密機械なので、小さなホコリや糸くずでも動作に影響を与えることがあります。定期的なお手入れを心がけましょう。
原因
ミシンを使用していると、布地から出る繊維くずや糸くず、お部屋のホコリなどが内部に蓄積していきます。特に布地を送る送り歯の周辺や、下糸を通す釜の部分には、目に見えないような細かな糸くずが溜まりやすいものです。
これらの異物が溜まると、部品の動きが鈍くなったり、まったく動かなくなることもあります。
また長期間お手入れをしないと、溜まった糸くずに油分が付着して固まり、より深刻な動作不良の原因となってしまいます。
解決方法
まずは安全のため、必ず電源をOFFにし、コンセントから電源プラグを抜いてください。次に針板を外して、釜周りを開けましょう。
最近のミシンは工具なしで簡単に分解できる設計になっているものも多くなりました。取扱説明書を見ながら、丁寧に参考に行いましょう。
掃除は専用のブラシを使うのが基本です。送り歯の溝や釜の周りに溜まった糸くずを丁寧にブラシで掃き出してください。エアダスターを使う場合は、強く吹きすぎて糸くずを機械の奥に押し込まないように注意が必要です。
掃除が終わったら、可動部分にミシン油を薄く差しましょう。油は必要最小限にとどめ、余分な油は必ず拭き取りましょう。
使用頻度にもよりますが、月に1回程度は内部のお手入れを行うのがオススメです。定期的なメンテナンスを行うことで、トラブルを未然に防ぎ、ミシンを長く使うことができますよ。
1-4. ミシン針が正しくセットされていない場合
針に関するトラブルはミシンの動作だけでなく、布地を傷めたり、糸切れの原因にもなります。
適切な針の状態を保つことが、快適な縫製作業につながりますよ。
原因
針は、厚手の生地を縫う際に無理な力がかかったり、誤って布地を強く引っ張ったりすることで、気づかないうちに変形することがあります。長時間の使用で針先が磨耗することも。作業中も、針の状態はこまめに確認してあげましょう。
また、針の取り付け方向の間違いもよくあるミスです。ミシン針には正しい向きがあり、わずかな角度のズレでも縫製に大きな影響を与えます。針を交換した後は、正しい方向になっているかどうか、よく見てくださいね。
解決方法
まずは、使用している針の状態をチェックしましょう。針を本体から外し、平らな場所に置いて、真っ直ぐかどうかを確認します。また針先が摩耗していないかも見てください。
針をセットする際は、針の平らな面を後ろ側に向け、限界まで差し込んでからネジでしっかりと固定します。ねじもしっかり締めておきましょう。
1-5. 生地が原因の場合
ミシンが動かないときは、使用する生地に原因があることも少なくありません。特にデニムやキルティングなどの厚手の生地を扱う際は、ミシンに大きな負荷がかかります。お使いのミシンが対応可能な範囲を超えていないか確認しましょう。
原因
生地の厚さがミシンの対応範囲を超えた状態で縫い進めようとすると、モーターに負担がかかり、動作が止まってしまうことがあります。特に何枚も重ねて縫う場合には注意が必要です。
また薄手の生地でも、針板の穴に生地が巻き込まれたり、送り歯に引っかかったりすることがあります。特にジャージーなどの伸縮性のある生地や、レースのような繊細な生地は、ミシンに絡まりやすい傾向です。
解決方法
取扱説明書などをよく読み、使用している針が生地に適しているか確認しましょう。厚手の生地には、「厚地用」の針に交換することで対応できる場合があります。
また生地が絡まってしまった場合は、引っ張ったり、無理な力をかけたりせず、慎重に対処することが重要です。まずは針を最上部まで上げ、針板周りの生地を小さなハサミやピンセットで丁寧に取り除いていきましょう。
頻繁に厚手の生地を扱う場合は、家庭用の標準的なミシンでは負担が大きすぎるかもしれません。その場合は厚物専用ミシンや、職業用ミシンの導入を検討するのもよいでしょう。
最近は家庭用でも、厚手の生地に対応した機種が増えています。用途に合わせて選んでくださいね。
1-6. 本体の不具合や故障の場合
すべての対処方法を試しても解決しない場合は、本体自体に不具合が生じているかもしれません。
ミシンは精密機械なので、長年の使用や想定外の負荷により、内部の部品が故障することがあります。専門家に見てもらいましょう。
原因
ミシン本体の主な不具合は、主に機械的な故障と電気的な故障です。
モーターの磨耗や内部の歯車、軸受けなどの機械部品の劣化は、長期間の使用で徐々に進行していきます。特に頻繁に厚手の生地を縫うなど、大きな負荷がかかる使い方をしていると、故障のリスクが高まります。
近年主流のコンピューターミシンの場合は、制御基板などの電子部品の不具合かもしれません。静電気や電圧の急な変化、内部への埃の侵入などが原因で、電子部品が正常に機能しなくなることがあります。
解決方法
本体の不具合が疑われる場合、自己判断での分解修理は避けましょう。まずはミシンが保証期間内かどうかを確認してください。期間内であれば、メーカーに修理を依頼することで、無償または低額での修理が可能な場合があります。
保証期間が過ぎている場合は、購入店やメーカー指定の修理センターに相談するのが安心です。修理の見積もりを取り、費用と修理期間を確認しましょう。
ただし、修理費用が高額になる場合や、部品の供給が終了している古い機種の場合は、新しいミシンの購入を検討するのも一案です。
本体の不具合は、日々の丁寧な使用とこまめなメンテナンスである程度予防することができます。定期的な点検と適切な使用を心がけ、大切に使っていきましょう。
トラブルを防ぐための日常的なメンテナンス方法
定期的な掃除や部品の手入れは、トラブル予防の基本です。ここではミシンを長く快適に使い続けるために必要な、基本的なメンテナンス方法をまとめました。
2-1. 定期的な掃除
最も基本的なミシンのお手入れは、定期的な掃除です。使用後は必ず目に見える部分の掃除を行いましょう。
特に気を付けたいのが釜周りと送り歯です。釜は最も糸くずが溜まりやすい場所なので、ボビンを取り出して専用ブラシで丁寧に掃除します。送り歯にも布地の繊維くずが溜まりやすいので、溝の部分までしっかりとブラシをかけてください。
また月に1回は、より丁寧な内部のクリーニングを行いましょう。針板を外して内部の状態を確認し、エアダスターや専用ブラシを使って細かな部分まで清掃します。
定期的な掃除はトラブルの防止だけでなく、美しい作品づくりのためにも必要です。ぜひ、習慣にしてくださいね。
2-2. ミシン油の使用
縫製中に異音がしたり、動きが重くなったりした場合は、ミシン油を補給しましょう。
油は、必ずミシン専用の油を使用します。一般の機械油は粘度が異なるため、ミシンには適していません。油を差す際は一滴ずつ慎重に差し、余分な油は必ず拭き取りましょう。
ただし、ミシン油の使いすぎは禁物です。適量以上の油はホコリや糸くずを溜めやすくなり、かえって動作の妨げとなってしまいます。
取扱説明書で推奨されている箇所と量を守りましょう。
2-3. 正しい保管方法
使用後は、必ずミシンにカバーをかけましょう。カバーをかけることでホコリの侵入を防ぎ、内部の機構を保護することができます。また使わない時は針を下げた状態にし、布切れを押さえ金の下に置いておくと、余分な振動から内部を守ることができます。
湿気は内部の金属部分の錆びの原因となります。また直射日光は樹脂部分の劣化を早める可能性があります。高温多湿の場所や直射日光の当たる場所は避けて保管しましょう。
まとめ
ミシンが動かない時は、まずは基本的なチェックから始めましょう。電源まわりや糸の通し方、針の状態など、丁寧に点検することで、多くの自分で解決することができます。
また日々のお手入れを習慣にすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。使用後の簡単な掃除や、正しい保管を行ってくださいね。
それでも解決できない場合は、無理せず専門家に相談してください。適切なケアと確かな修理で、大切なミシンを、いつまでも快適に使っていきましょう。