ミシンの種類と選び方|買う前に押さえておきたいポイント

「ミシンが欲しいけど、種類が多すぎてわからない...」なんて悩んでいませんか?
家庭用コンピューターミシン、職業用ミシン、ロックミシンなど、ミシンにはさまざまな種類があります。どんなときにどんなミシンを選べばいいのか、よくわからない人も多いはず。
今回はそれぞれのミシンの特徴や用途、価格帯などを、わかりやすく解説します。ミシン選びで失敗しないために、まずは基本的な知識を押さえましょう。
ミシン選びの基礎知識
ミシンには、大きくわけて「家庭用ミシン(電動、電子ミシン)」「家庭用コンピューターミシン」「職業用ミシン」「ロックミシン」の4種類があります。まずはそれぞれの違いを整理しましょう。
ここでは各ミシンの特徴やメリット・デメリットをまとめました。
家庭用ミシン(電動、電子ミシン)
日常的な裾上げや簡単な小物作りなど、基本的な縫製作業に適したタイプです。
一般的な家庭用ミシン(電動、電子ミシン)には、直線縫いやジグザグ縫い、ボタンホール縫いなどの基本的な縫い方が搭載されています。
価格帯は1万円台からと比較的手頃で、購入しやすい点も魅力のひとつです。
メリット
最大の魅力は、操作方法がシンプルで直感的なこと。複雑な設定は少なく、基本的な縫い方さえ覚えれば、すぐに使いこなすことができます。
またコンパクト・軽量な設計で、収納場所にも困りません。使いたいときにサッと出して使えるという手軽さも特徴です。
デメリット
モデルによっては、厚手のデニムやレザーなどの生地を縫うのが難しいこともあります。また、長時間の連続使用には向いていないため、大量の作品作りや本格的な洋裁には不向きです。
毎日何時間も使用するような場合は、ほかのミシンを検討する必要があるでしょう。
家庭用コンピューターミシン
家庭用コンピューターを搭載した高機能モデルです。多彩な自動機能を備え、初心者でもプロ並みの美しい仕上がりを実現できます。
液晶画面で縫い目の種類や長さを確認できるほか、縫い速度の調整も簡単です。
価格帯は2万円台から10万円以上まで幅広く展開されています。
メリット
家庭用コンピューターミシンには生地の厚さに合わせて糸の張り具合を調整する「自動糸調子機能」や、縫い終わりの糸を切る「自動糸切り機能」など、便利な自動機機能が搭載されています。
またボタンひとつで直線縫いからジグザグ縫い、飾り縫いまで、数十種類の縫い模様を簡単に切り替えられるのも魅力です。文字縫いや模様縫いなど、デザイン性の高い作品作りに向いています。
デメリット
内部構造が複雑なので、故障した際の修理費用は家庭用ミシン(電動、電子ミシン)と比べて高額になりがちです。また、長期間使用しないと内部に支障をきたす可能性もあります。定期的なメンテナンスが必要です。
購入後のアフターケアも、考慮に入れる必要があるでしょう。
職業用ミシン
プロの縫製作業に対応できる本格的なモデルです。デニムやレザーなどの厚手の生地も難なく縫い進めることができます。
作業効率を重視した設計で、長時間の連続使用にも安定して対応可能です。価格帯は5万円台から上質なモデルでは20万円以上と、高価格のものが多くなっています。
メリット
最大の魅力は、縫製スピードの速さと美しい仕上がりです。大量の作品を作るときも、効率的に作業を進められます。
また、業務用として設計されているため、耐久性も抜群です。毎日何時間も使用しても安定した性能を発揮し、適切なメンテナンスを行えば10年以上使い続けることも可能です。
デメリット
用途は直線縫いに特化しているため、家庭用ミシン(電動、電子ミシン)のような装飾縫いやボタンホール縫いなどの多機能性は期待できません。サイズが大きく、重量もあります。頻繁に移動が必要な動かす場所での保管は難しそうです。
また初心者には扱いが難しく、ある程度の技術も必要となります。
ロックミシン
生地の端処理(縫い代の始末)や、Tシャツなどの伸縮素材の縫製に特化した専用ミシンです。2~4本の糸を使用して生地を包み込むように縫うため、ほつれにくく、美しく仕上がります。最近ではエアー糸通しシステムやなど、使いやすさを重視した機能を搭載したモデルも増えてきました。
一般的な家庭用ロックミシンは2万円台、上位機種では10万円以上の機種もあります。
メリット
市販の洋服のような、美しい縫い端を実現できることが最大のメリットです。生地の端を切りながら縫えるので、裁断と端処理が同時にできます。カットソーやニット素材などの伸縮性のある生地を縫うのにも適したミシンです。
デメリット
ロックミシンは、通常の直線縫いや装飾縫いには向いていません。単独での使用には限界があり、家庭用ミシン(電動、電子ミシン)と併用する必要があります。
また糸調子の調整や糸通しなど、使いこなすまでには練習が必要です。縫い目の幅や長さの調整も、通常のミシンより複雑になります。
まずは基本的な家庭用ミシン(電動、電子ミシン)に慣れてから、ステップアップとして検討するのがオススメです。
ミシンを選ぶ前に考えるべきポイント
ミシンを選ぶときには「使用目的」や「使用頻度」、「スキル」、「予算」などの項目を確認しましょう。
それぞれのポイントをまとめました。
2-1. 使用目的を明確にする
ミシン選びでは、主な使用目的を明確にすることが重要になります。目的によって、最適なミシンが異なるからです。
代表的な使用目的別に、オススメのミシンをまとめました。
例1:簡単な補修や小物作り
裾上げやほつれの修繕、エプロンやポーチなどの簡単な小物作りが目的なら、基本的な機能で十分対応可能です。手頃な価格で手に入る、家庭用ミシン(電動、電子ミシン)が良いでしょう。
操作も簡単で、ミシン初心者でも安心して使用できます。
例2:本格的な服作り
本格的な洋服作りを目指す場合は、家庭用コンピューターミシンかロックミシンの導入を検討しましょう。
家庭用コンピューターミシンなら、美しい仕上がりの作品が比較的簡単に作れます。また、ニットやカットソーなどの伸縮素材を使う機会が多い場合は、ロックミシンの併用もオススメです。
例3:プロ志向の作品作り
ハンドメイド作家として活動したい、または大量の作品を効率的に作りたい場合は、職業用ミシンの導入を検討しましょう。高速で安定した縫製が可能で、厚手の生地も難なく縫えます。
趣味の次のステップへ進みたい人にオススメのミシンです。
2-2. 使用頻度とスキルレベル
ミシン選びでは、使用頻度とご自身のスキルレベルに合わせた機種を選ぶこともポイントです。
裾上げや簡単な小物作りなど、月に数回使う程度であれば、シンプルな家庭用ミシン(電動、電子ミシン)でも大丈夫です。毎日使いたい人は、家庭用コンピューターミシンや職業用ミシンなど、耐久性の高いモデルを検討しましょう。
またミシン初心者には、液晶画面で設定が確認でき、自動糸調子機能などの便利な機能が搭載された家庭用コンピューターミシンがオススメです。操作方法がわかりやすく、失敗が少ないので、安心して使い始めることができます。
基本的な使い方を覚えた後も、多彩な機能を活用のステップアップが楽しめるミシンです。
2-3. 予算設定
初めてミシンを購入する場合は、まずは2万円前後の家庭用ミシン(電動、電子ミシン)を目安にすると良いでしょう。基本的な縫製機能を備えた、信頼できるメーカーの製品があります。趣味としての裾上げや小物作りに最適です。
一方、本格的な服作りや長期的な使用を考えている場合は、5万円以上の高性能モデルの導入がオススメ。家庭用コンピューターミシンの中級機種やロックミシンなど、豊富な機能と高い耐久性を備えた製品がそろっています。初期投資は大きくなりますが、長年使用することを考えると、満足度の高い選択肢となりますよ。
各ミシンの使い方と適切な選び方
自分の希望するミシンの使い方がイメージできたら、実際の使用例を見ていきましょう。ここではミシン毎に使い方の例や、選ぶポイントをまとめました。
3-1. 家庭用ミシン(電動、電子ミシン)が適しているケース
家庭用ミシン(電動、電子ミシン)は、普段の生活の中で「ちょっと縫いものをしたい」という場面に最適です。
子どもの制服の裾上げや、ほつれた衣類の修繕、カーテンの丈詰めなど、日常的な補修作業に気軽に使えます。
これからハンドメイドを始めたい初心者も、家庭用ミシン(電動、電子ミシン)が使いやすいでしょう。シンプルな巾着袋やエプロン、ポーチなどの小物作りから、テーブルクロスやクッションカバーなどのインテリア小物まで、さまざまな作品づくりを楽しむことができます。
操作方法もシンプルで、思い立ったときに気軽にチャレンジできるのも魅力です。コンパクトなサイズ感で、限られた住空間でも無理なく使えます。
3-2. 家庭用コンピューターミシンが活躍する場面
家庭用コンピューターミシンは、本格的に作品作りを楽しみたい初心者から中級者の方に、特にオススメのミシンです。縫製に関する細かな調整の手間が省け、作品作りに集中することができます。
また液晶画面で設定を確認しながら操作できるので、失敗も少なく、安心して使えます。
ボタン一つで多彩な縫い模様が選べる利便さは、ワンピースやブラウスなどの服作りでも役に立ちます。飾り縫いやアップリケなど、装飾的な要素を加えたいときにも便利です。
趣味の幅を広げたい方や、作品のクオリティを上げたい方にとって、心強いパートナーとなってくれるでしょう。
3-3. 職業用ミシンの活用例
ハンドメイド作家として活動する方や、プロフェッショナルな作品作りを目指す方にとっては、職業用ミシンが便利です。オーダーメイドの洋服や販売用の作品を、効率的に仕上げることができます。
また長時間の連続稼働にも耐える高い信頼性は、納期のある仕事でも安心です。
特に、デニムやレザーなどの厚手素材を扱うことが多い作家さんにとって、強力な職業用ミシンのパワーは必要不可欠です。均一で美しい縫い目は、プロの作品として求められるクオリティを確実に実現してくれます。
高品質な仕上がりを安定して提供できることは、ビジネスとして活動する上での大きな強みとなるでしょう。
3-4. ロックミシンの選び方
ロックミシンは、本格的な服作りを始めたい方にとって、大きなステップアップとなる機材です。ニットやカットソーなど、伸縮素材を使った作品作りを考えている方には、特に役立ちます。
市販の洋服のような美しい縫い代処理ができる一方、使用できる機能は少ないので、2台目のミシンとして検討するのがオススメです。また、ロックミシンは縫い目の調節や針糸通しが自動のタイプはより便利です。
導入時には、使用目的と予算、作業スペースを十分に考慮しましょう。
まとめ
ミシン選びでは、自分の目的とスキルに合った種類を選ぶことが大切です。
趣味の小物作りなら家庭用ミシン(電動、電子ミシン)、本格的な服作りなら家庭用コンピューターミシン、プロ仕様なら職業用ミシンなど、用途に応じて最適な機種を検討しましょう。
また長く使える一台を選ぶために、予算は少し余裕を持って設定することも必要です。
長く使える使い勝手のミシンを選ぶには、実際に店舗で試してみるのがオススメです。操作性や使用感を直接確認することで、より確実な選択ができます。アフターケアが充実した店舗なら、購入後も安心して使えますよね。
目的に合ったミシンを選んで、手作りライフを楽しみましょう。